自分のことで耳にした最も奇妙な作り話は？ 最も奇妙な？　そうだな……たとえば、ぼくがシャロン・ストーンと泳いでいるところを目撃したとか、結婚しているとか、デイヴィッド・ゲフィンの恋人だとか（笑）、ええと、あと何だっけな。ウェブサイトでは僕は新しい預言者か、反キリスト主義者なんだ。 ネオはまさに新たな預言者、救世主。だから監督はあなたを選んだとか？ きっとそうだよ。とにかく、どれもばかばかしい話だよ。 サイバーパンクっていうイメージもある。ウェブサイトをよくのぞく？ ううん。コンピュータも持ってないよ！　監督たちも笑ってた。「きみは天才ハッカーってことになってるんだぜ」って。でも、持ってないんだ。僕はコンピュータを使うより、それを使う人間のほうに興味がある。友達はみんなゲームをやってるけれど、僕がインターネットで気に入っているのは情報の多さだよ。 誤情報の宝庫でもある。本当にこんなこと言ったんですか？（ウェブからプリントアウトしたものを手渡す） 「……私はバカな人間だ。頭のいい人間もいれば、愚かな人間もいる。私はたまたまバカなんだ」。面白いな！（読み続けて）「私には気品や威厳が欠けているのが残念だ」。ふう〜っ。 赤裸々に語ったわけ？　それとも真っ赤なウソ？ （皮肉っぽく）これって、たぶん去年の発言じゃないかな。それとも、インタビューにうんざりしていたときだったのか。 『スター・ウォーズ』は見た？ まだ。予告編は見たけれど。 感想は？　気に入りましたか？ ううん、退屈だった。本編を見てないからはっきり言えないけれど、ライティングがひどく平板に感じられた。いい俳優が何人か出ているけれど、効果音は同じものを使っている。予告編の効果音が旧シリーズと同じだっただろ？　ノスタルジックな感じがしたけど、これはよくないことだよ。でも、見に行くつもりだ。旧シリーズの１作目と２作目は大好きなんだ。『ジェダイの復讐』はどうでもいい。森林での追跡シーンは素晴らしいけれど、映画自体はセンチメンタルで新味がなかった。。 センチメンタルなのは嫌い？ 嫌いじゃない。でも、ダース・ヴェイダーにマスクを脱がせて、はい、普通の人間でした、なんてやってほしくない。だろ？　ありきたりすぎる。全然パワフルじゃなかった。 カンヌ映画祭に出席したことは？ 一度だけ。『から騒ぎ』のときで、ケネス・ブラナーと一緒だった。チョイ役で出てたんだ。夜は海岸でシャンペンを飲んだ。ぶらぶら歩いて、おいしいシーフードの料理を食べたりした。映画仲間とつるんで遊ぶのはとっても楽しかった。 外国で好きなところは？ 別にない。友達が住んでいるパリにはよく行くけど。パリはとっても好きだ。でも、とくに行ってみたいと思う場所はない。もっと旅をしなきゃ。ずっと旅をしてない気がしてきた！　ってのはウソだけど。 『マトリックス』の撮影はオーストラリアでしたね。 最高だったよ。シドニーはきれいな町だった。でも、あそこでは仕事しかしていなかった。厳しいダイエットをしていたから、外出できなかった。何にもできなかったよ。金曜以外はね。金曜の夜は飲酒ナイトだった。そんなわけで、町はよく見ていないんだ。帰国する日に初めて見たようなもんだった。 『マトリックス』には精神的なテーマがある。実行している宗教的なことはありますか？ ない。 たとえば、ヨガとか？ 『リトル・ブッダ』で瞑想をかじって、しばらく続けてたけど。今でも、ときどき思い出してやってみる。じっと座ってるだけだけれど。 『マトリックス』であなたにスタントをやれと言ったのは誰ですか？ えっ？　スタントはやらないよ。 あなたが実際にやったように宣伝されてますけど。 そんなのばかげている。スタントをやるのはスタントマン。僕がやったら、それはスタントとは言わない。僕は、そう考えている。普通の俳優ならしないようなことは確かにやった。この映画のすごいところは、俳優がトレーニングを受けて、自分で跳んだりワイヤーワークをやったり、闘いのシーンを演じたことだ。でも、それはスタントじゃない どでも、ワイヤーでつるされて長い時間を過ごしましたよね？ そうだよ。 たくさん蹴られた？ 　ローレンス・フィッシュバーンにやられた。彼は力が強いよ。地面に投げ出されるようなファイト・シーンはたくさんあるけど、それは別の人間がやっている。